ハハカエル。

昨日より少し涼しい夜風に吹かれながら、母帰る寂しさをじんわりと噛み締める。
数年ぶりの多摩川の花火大会。
夜空に打ち上がる花火を見ると、毎回思う。
あー花火っていいなー。思ってたより、全然いいじゃん!
「ふぁー」とか、「コレはコレはでかいぞでかいぞ!」とかついつい言ってしまう。
毎回にそう思うのは、打ち上げ花火の質が年々進化しているからなんかなのではなく、
とにかくそれが、夏!だからなのである。きっと。

その一瞬の瞬間のために、手袋とかしてるおじさんが←想像です!精魂込めて火薬詰めてるところとか、
ちょっと靴連れなんかしながら、慣れない浴衣に下駄ならす高校生の女の子のうなじとか、
きんぎょみたいな帯をして、眠気と格闘してるお子ちゃまの、花火の灯りに照らし出された横顔とか、
そんななのかな?とも思う。

もっともっと単純に、夜空に浮かんだそれが、一筋の光が、どんどん膨らんでは破裂して、一瞬にしてふぁっと消えてしまう様が
まるで銀河の☆☆のようで、私と私が私の中の宇宙を感じるその瞬間!だからなのかしら?とも思う。
が、それもまたちょっと違う気もする。

気持ちいいので飲み過ぎた。
親戚のにーちゃんの家は、多摩川の花火大会を見るために建つような家で、ベランダの塀に両肘付いて、ど真ん中目の前に広がる夏の夜空を堪能した。
気持ちがいいので、すっかり飲み過ぎてしまった。
ビール→焼酎→ワイン→焼酎→ビール→ワイン←のエンドレスサマー。
それでも、そうとうにせっかちの貧乏性が、ねーねーと煩くて、脳裏に帰りの田園都市線がちらついた瞬間、ファイナルの10分を棒に振って、
そうっとそうっと引き上げる。

ドン!ドドン!!
と、地響きをたてながら、打ち上がる花火を背に、振り返らず、ひとり駅へ急いだ。
花火を見ている母の横顔が、キレイだったと思い出しながら。
たまたまだろうが、「ほら、見て!」と肩を叩こうと隣を見たときの母の視線が、
花火とは全然別の、なんにもないところを向いていて、それが妙に切なく、果敢なく、
とても綺麗で、となりで、黙って唾を飲んだ。
明日からも、頑張ろうと思った。

久々にかーちゃんのとなりで眠ったからかしら?これがほんとの中学生日記です。

空に消えてった 打ち上げ花火 ♪