無印良品で、ベビー服を物色していると、後ろから怪しい気配がした。
振り向くと、新喜劇の寛平ちゃんばりに、長い棒を振り回しながら、奇声を発しているおじさんが、
こちらに向って突進してくるではないか。明らかに、正気ではないその姿に慌てて、腰が抜けそうになる。
とにかく息子をベビーカーから抱き上げて救出し、走って逃げる。
どこかに居るはずのPちゃんを探すが見当たらない。
走り去った後に残されたベビーカーが、おっさんによってボロボロに分解われている。
少し遅れて駆けつけて来た定員に、取り押さえられるおっさん。
騒々しさに走ってきたPちゃんに泣きつく。
「おねーちゃんから買ってもらった高価なベビーカーがバラバラにnなっちゃって、天太だけは無事なんだけど、おっさんが。。。」
とわたしの言葉を最後まで聞かないうちに、おっさん目がけて走り出すPちゃん。
温和なPちゃんの背中が、怒りで燃えている。
遠目で見ていると、定員と一緒になって、おっさんをボコボコにしばいているPちゃん。
「あかんって、そのおっさんは、きっと病気やから、仕方ないかもしれん。仕方ないことないけど、殴ったらあかん。
蹴ったらーもっとあかん。暴力はあかんー!!!」
天太を安全な場所に置いて、止めに行こうとするがうまくいかない。
Pちゃんとおっさんが気になって、天太からほんの一瞬、目を離す。
ちょっといい子にしててね、と頭なでなで言おうとして、瞬間凍りつく。
ぷくぷくの桃のようなほっぺたが、一瞬にしてしわくちゃの干し柿のように。
寝かしつけたはずの天太の姿が、老人の顔にすり替わっているではないか。
「天太ー!!!」と叫びながら、老人の顔を揺する。
みるみるうちにますます年老いて、どんどん腐敗していく老人の姿に、ぎゃーーー!!!と雄叫びをあげながら、
目が覚めた。
汗びちょであった。
悪い夢を見る癖は治ったかと思っていたのに、我ながら見事なストーリーである。
久しぶりに目が覚めても、なかなか、現実の世界に戻って来れないほどである。
ぼんやり昼食を食べていると、
「大丈夫ー?」とPちゃん。
「あー大丈夫じゃないねー。」とわたし。
「『眠いんだよ!!!』って言って、朝、箸投げたもんね。」
「???すいません、朝のこと?全く記憶にございません。」
疲労が困憊しているのであろうか?積もりに積もった寝不足のせいであろうか?
天太を守ってやらなければ、私が育てていかなければ、という不安が夢に滑り込んできたのだろうか?

日が登り、冷静に考えると、多分、寝る前に豆を食べすぎただけであろうと、思える。
日曜日は高円寺フェスティバルであった。
せっかくのお祭りということで、息子を抱きながら、少し歌った。
小さいけど、久しぶりのステージであった。
楽しく歌った後にも、少し、考えてしまった。
まさか自分が子供を抱いて、歌を歌うようになるとは。
やはり自分は、歌いながら、みるみると変わって行くものの中でも、ずっと変わらないものを探しているように思う。
探しながらも、歌い続けていかなければいけない。
きっと歌い続けることの中に、それがある気がするのである。

ソロですが、復帰をライブやります!

風太郎ぷれぜんつ
「土曜日の鈴木さん」 ~最強の3マンライブ~

阿佐ヶ谷NEXT SUNDAY
(http://nextsunday.jp/)
2008年11月22日(土)
OPEN/START - 18:30/19:00
前売/当日 - ¥1,500/¥1,800(+drink¥200~)
出演 - 林レイナ/sola/藤本大祐
Opening Act - たつまさ