テレビを観て泣いて、音楽を聴いて泣いて、友達と話して泣いて、映画を観て泣いて、
ついには夢を見て泣いた。
ちょっと嬉しい夢を見て、すっかり夢に入り込んで、目が覚めて、それが夢だと簡単には受け入れられず
また泣いた。
歳をとって、涙腺がゆるみっぱなしなのか、永遠の思春期なのか、最近よく泣いてしまう。
自分のこと以外なら、もう、なんでも泣けるのではないか?と思うほど、気がつくと、涙がすぐに出てきてしまう。
役所に提出する書類に年齢を書き込んで、また改めてげげっと思う。
ぼちぼちしていたら、もうすぐ40歳になるのだろう。
若い頃自分は、こんな40歳になるなんて思ってもみなかっただろう。
こんなでも、なんとなく40歳になれてしまうということを知らなかったのかもしれない。

エンジェリンヘビーシロップのベスト盤が出ているのを知ったので買った。
昔つきあっていた人が、この音楽が大好きで、高円寺の駅前の狭くて汚い部屋で、朝からいつも聴いていた。
手元になくて、最近になってずーっとずーっと聴きたくて仕方なかったのだ。
口が悪くて、愛想も悪くて、貧乏で、何も取り柄がないような人だったけど、時々びっくりするくらい純真だった。
何度もはっとさせられて、私なんかより、こうゆう人が音楽をやるべきだと、真剣に思った。
もっと好きだった男のひとは、他に居るし、未練があるわけでもないのだけど、彼を傷つけてしまったことをよく思い出す。
男と女の関係で言えば、もっとひどいことも、他にいっぱいしたのだろうけど、彼とのことを思い出す。
あの純真さゆえ、自分のことを傷つけてしまわずに、どこかで前よりも明るく、ポップに生きていてくれたら、嬉しいなと思う。
もう、随分昔の話なので、そんな心を忘れて、すっかり変わってしまっているかもしれない。という憶測が全く持てないほど
あれは、頑固な心だったなーと。

もうすっかりおかーさんにもなったんだけど、時々、誰かに甘えたくて仕方がなくなる。
母親が死んでから、特にそうだ。
痛い中年ばばーだなと自分で思いながら。
そんな中、今日はまた、ヒロシに会えるので嬉しい。
「ヒロシがいっぱいだっこしてあげるわよ。」と言ってくれないかな。

泣いてばっかりでは、いかんと、ギターを弾いて曲を作って、泣きながら歌った。